観てきました。
すごく、いい映画だった。
観て良かったと思って、即パンフを買った。
パンフを買った映画は久し振りだった。
全編アドリブ?と思う程、自然な演技。
台詞を言ってるとか演技しているとか全くと言っていい程感じなかった。
女とか、仕事とか、何かにつけてだらしない、ふわふわして生きている夫と
しゃんとしてキッチリと生きている妻。
あんな男よしなよ、何で一緒になんかなったの?って周りから言われても
曖昧に笑って返す妻は、「ほんと、何でだろ?」って思うところもきっとあるはずだけど
夫のいいところ(人の気持ちに気付いて手を差し伸べられるところ)を知っていて、
尚且つ理屈じゃなく夫を好きだったんだと思う。
理屈じゃなく、「一緒にいたい」人だったんだと思う。
その気持ちに賭けて(賭けてというか、信じて?)
夫と居ることを選んだ妻は凄く勇気があるし、強いと思う。
自分の中にある真実を信じられるんだから。
自分の気持ちに向き合うのは、辛くて怖い。
人に自分を曝け出すのはもっと怖い。
でももう抑え切れなくて全部ぶちまけてしまった時に
重くもなく、軽くもなく、同情めいた特別優しい言葉も言ったりせず、
静かに聞いて、答えてあげるっていうのは、簡単な様で、難しいなと。
漢方薬とか、熱出した時にお母さんが作ってくれた葛湯みたいな
そうゆう効き方をする、癒し方だなと。
ほんとふわふわしてて、どうなのこの人?って思ったけど、
そういう癒し方のできる夫はある意味凄い人なのかも。
もしかしたら妻はそういうところを見抜けていたのかも。
妻、凄い。
「生きてるだけで、凄いじゃないですか。」とか
「(どんな辛いことがあっても)平気で生きるの!」とか
はっとした。
生きるってなんだろうね。
自分もあっという間に30年以上生きてしまいましたが
中々に生きるって辛いなーと思うことがやっぱりあったりします。
楽天的に生きてるつもりでもね。
でも自分の親とか自分の倍生きてて
娘の私から見ても中々に波乱万丈な人生ですね、と思うけどどっこい生きてる。
倍以上辛いことを乗り越えて、生きてるって凄い。
逃げ出さずに生きてるって、すごい。
しかも子供を育てるってことまでやってのけてる。
両親、凄いな、と思った。
私も私の人生頑張るぞ。
人を好きって思う気持ちにもっと素直になりたいなぁ とか
「大事なものがあるうちは大事にしとけ」って、そうだな、いつまでもある訳じゃないもんね、とか
人と人は会った時点で完璧じゃなくても、良いところを引き出して行けるのかな、とか
「見捨てない」っていうのは凄い安心感だな、とか
安心感って一番欲しい愛の一つの形ですよね、とか
色々思いました。
こういう、「生きること」を肯定するお話は
観た後に、心を締めつける何かがゆるくなるような気がしてとても好きだし、素敵です。
ほんと、観てよかった。
ぐるりのこと 公式HP